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2011年11月の福井新聞の連載より。福井県高浜町でのプルサーマルをめぐる攻防の歴史

高浜原発が全国初のプルサーマルの候補となった高浜町では99年9月、住民が「住民投票条例を実現する会」を結成し、実施の是非を問おうとした。既に町会はプルサーマル推進決議を採択し、町と県も5、6月にそれぞれ受け入れを表明していた。

会の運動に携わった渡辺孝町議(63)には忘れがたい記憶がある。98年7月、慎重派が主催した「プルサーマルを考える町民のつどい」には関西電力の下請け業者などが「動員され、3分の2が推進派で埋まった」状態になった。反対派の学識者の意見が聞こえないほど大声のヤジも飛んだという。十分な理解、議論がないまま計画が進む流れを止め、自分たちの手で決める必要があると痛感した。

署名活動の結果、有権者の約2割に当たる1984人分が集まった。加えて、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の検査データねつ造も発覚した。だが、2000年1月の臨時町会で請求は否決された。審議は実質4時間程度。賛成は17人のうち渡辺氏ら4人だけだった。

請求否決の3カ月後に高浜町長選があり、児玉巧さん(64)は「プルサーマル実施は住民投票で決めるべきだ」として町議を辞職して出馬した。「発電所から仕事をもらうために動く議員がいれば問題だし、現にそうだった。議員が町民の代表になっているとは思えなかった」と動機を語る。

一方、現職として戦った今井理一前町長(79)は「日本のエネルギーをどう賄うのか。感情的に『原子力は怖い』というだけで判断されるのは困る」と住民投票に否定的な思いを抱いていた。

結局、児玉さんの得票は署名数の半分にも届かなかった。

「住民投票を行ってもプルサーマルを否定する結果にはならなかっただろう」という点で2人の見方は一致する。しかし児玉さんは「それでも住民投票をすべきだった」と今も考えている。
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